SSRIの副作用については、このブログでも何度も採り上げていますが、
吐き気や嘔吐、下痢などの症状が見られることがあります。

 

また、医師によっては、こうした副作用の点から
SSRIは危険な薬と認識している人も少なくないようです。

 

そして、妊娠や妊婦さんへの影響については
さまざまな議論がありますが、
基本的には、将来的な妊娠への影響は無いということです。

 

つまり、卵巣の中の卵細胞に対しては、
薬の影響はブロックされていると考えられています。

 

問題は、妊娠中であるとか、服用中に妊娠する可能性がある場合です。

 

これについては、薬を使っていない妊娠と比較した場合、
新生児に先天性の障害が出る確率が2倍程度に増えるという報告があり、
議論をよんでいます。

 

2倍という数字だけを見ると、非常に危険なように思えてしまいますが、
一般的に、1000人の妊婦を対象とした臨床において
新生児に血管障害があるケースが2例という割合です。

 

これが0.2%です。

 

そして、パキシルというSSRIを服用している妊婦1000人を対象とした場合に
4例という臨床結果が出ています。

 

これが0.4%です。

 

つまり、1000人を対象にして、もともと2例だったものが
4例になったということです。

 

この数字をどう見るかは、判断が分かれるところでしょう。
ですので、しっかりとした説明が必要となります。

 

医者としては、患者さんに対して、上記の例を挙げて、
必要であれば服用を続ける事をお勧めしますが、
リスクはゼロではありません。
服用しない場合の妊娠でもある程度のリスクはあります

ときちんと説明すべきでしょう。

 

そして、もし患者さんが納得できないという事であれば、
まだ妊娠前なら、薬の服用中の妊娠は避けるようにします。

 

あくまでも患者さん本人の意思が尊重されるべきです。