明らかに落ち込んでいる、やる気がない、などの状況が見られる人には、
それを性格的なもの断定するのではなく、
病気の存在を疑ってみる事も必要です。

 

精神科医が、その人を病気がどうか、を問診において判断する場合、
落ち込む以前に、その人はどういう性格であったのか
ということを目安にしているそうです。

 

ちょっとした事で、すぐに気分が落ち込んでしまう人でも、
以前は何年にもわたって、バリバリ働いていた時期があったとするならば、
その人の現在の状況は、性格的なものではなく、病気の可能性がある、
ということになります。

 

その人の一部分、一時的な行動を見て、性格なのか病気なのか、
を判断するのではなく、
その人の生活歴を長く見てきた人に話を聞くと、
病気の可能性が浮かび上がってきます。

 

また、うつ病になりやすい性格というものはありますが、
誤解してはいけないのは、たとえそうした人でも、
明確なストレス要因がなければ、うつ病にはならない、ということです。

 

うつ病というのは、あくまでも過剰なストレスが加わり、
それに対して、心が過剰に反応した結果、
身体的、精神的に不調をきたす病気です。

 

過度なストレスが加わらなければ、どんな性格の人でも
うつ病にはなりません。

 

現代社会でうつ病が増えているのは、
うつ病になりやすい性格の人が増えているのではなく、
その人にかかるストレスが、過剰になっている事が大きな要因のひとつです。