抗うつ剤を飲み、カウンセリングなども進めていくうちに、
うつの症状が軽くなってきて、気分も安定してくるでしょう。

 

こうした状態を、寛解といいます。
寛解段階になると、
「もう気分も安定してきた。こうなれば薬に頼らず、
あとは自分でなんとかできるだろう」と、
うつになりやすい人特有の、もともとの頑張り屋の部分が
出てくることも少なくありません。

 

しかし、うつ病は慢性病だという考え方もあります。
自分では、「ずいぶん楽になった」と感じても
自分勝手な判断で抗うつ剤を止めてはいけません。

 

楽になったとしても、継続して抗うつ剤を飲み続け、
セロトニンなどの脳内物質が再度不足しないように
脳を整えていくことが重要です。

 

抗うつ剤には、うつ病の再発を抑える働きもあります。

うつ病は再発しやすい病気です。

 

アメリカでおこなわれた追跡調査では、
重いうつ病から回復した後、
抗うつ剤を飲まなかった人は、一年後には、半数以上が再発していたが、
抗うつ剤を飲んだ人では、再発は約1割程度まで抑えられたといいます。

 

うつの症状がとれた後でも、勝手な判断で止めることなく、
半年から一年間は抗うつ剤を飲み続けると考えた方がよいです。