うつ病の治療の為の薬としては、60年代から80年代くらいまでは、
"三環系"と呼ばれるものが頻繁に使われていました。

 

これは、休息をとることを目的とした、
セロトニンの働きを強める効果がある薬です。

 

国内で処方されている三環系抗うつ薬には、
イミプラミン(商品名トフラニール)
クロミプラミン(商品名アナフラミール)
アミトリプチリン(商品名トリプタノール)
などがあります。

 

これらはいずれも、作用としてはセロトニンの再取り込みを阻害する事で
その働きを強める効果が期待できます。

 

ただし、副作用としては、吐き気、眠気、口の渇き、便秘、排尿困難などが
挙げられます。

 

ただし、これら三環系抗うつ薬には、
ノルアドレナリンの再取り込みを阻害する働きもある為、
それによって活動意欲を高める効果もあったりします。

 

つまり、セロトニンの働きを強めて心の安定を図ることと
ノルアドレナリンの働きを強めて活動的になること、
この両方の効果が期待できます。

 

しかし、この2つの作用がバランスよく作用している、というと
聞こえは良いのですが、処方する医者の立場からすると、
何がどう効いているのか、よく分からなくなる、ともいえます。

 

ですので、患者さんのうつ病の状態によって、戦略的に治療を施す上では
使いにくい部分もあったわけです。