ストレスはうつ病の原因になるばかりでなく、
強いストレスが長く続くと、免疫システムが弱ってしまい、
癌になりやすくなることも分かってきています。
体内に異物が侵入すると、免疫系の様々な細胞が
即座に抗体をつくって体を守ろうとします。
中でも、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、
癌などの腫瘍細胞を殺すという重要な役割を持っています。
ストレスが免疫系の器官に影響を与えると、
NK細胞の活動が低下してしまい、
腫瘍細胞を殺すという役割が弱くなってしまうので、
結果的に癌が発生し易くなってしまいます。
そして、そのNK細胞の活動を低下させる原因のほとんどは
精神的要因、つまりストレスであることが分かってきています。
ストレスがうつ病の原因になるメカニズムは、
この免疫系からも確かめられつつあります。
脳内で作られるホルモンのほとんどは、
免疫系細胞でも作られます。
ストレスがなぜ、脳内物質のセロトニンの分泌量に影響を与えるのか、
この詳しいメカニズムは、まだ解明されていませんが、
セロトニンの分泌も免疫系の細胞と密接に関わっている可能性が
高いといわれています。