吃音が改善される感覚とは?
吃音(どもり)者の中には、「ある日突然劇的に治りました!」という派手な宣伝文句の
ような改善方法を期待する方もいらっしゃいますが、実際にはそういったものではありません。
「気が付くと、吃音を全く気にしない生活を送るようになってた。」
こういった表現の方が正しいです。
「治す」や「改善する」という表現も、本当は適切な言葉ではないかもしれません。
どちらかというと、「忘れる」とか「立ち直る」と言った方がしっくりくるといいます。
吃音という問題の本質を理解してくるとわかるのですが、
吃音は、治そうと思って、ある日突然治るような、そういった性質の問題ではありません。
知らないうちにどもる頻度が減り、そして気が付いたら治っていた。。。
治っているというか、気にならなくなっていた。
吃音なんてどうでもいいという感覚です。
もっと言えば、どもってもいいし、どもらなくてもいい、全く無関心な状態。
さらに言えば、「改善した」という実感すらない状態になります。
例えるなら、子供の頃の悩みを思い出すような感覚です。
友達とケンカしたとか、おもちゃが壊れたとか、
今思い出すと、そんなつまらない事で落ち込んでいた子供の頃の記憶を辿るような、
「覚えてはいるけれど、実感がない」という実感のなさです。
吃音は治すのではなく、打ち勝つのでもなく、吃音の方から勝手に去っていくのです。
本当にいつの間にか去っているので、最初は気が付きません。
吃音(もどり)が改善されるとは、そういった感覚のことをいいます。