毎日1~2時間もかけて満員電車で通勤するのは、
サラリーマンにとっては、大変なストレスです。

 

そして、会社内での人間関係、仕事進捗具合なども大きなストレスです。

 

毎日の当たり前の社会的な行為がストレスであり、
それらは毎日積み重なっていきますので、
ストレスの発散の仕方を知らないと、どこかで精神的に参ってしまい、
うつ病になってしまうこともあります。

 

こうした精神的な危険性を内在させながら、
サラリーマン生活を定年まで続けなければいけません。

 

しかしだからといって、定年を迎えて、
ストレス漬けのサラリーマン生活から解放され、自由とゆとりを手に入れたなら、
うつ病にならないのかというと、そういうわけでもありません。

 

実際には、定年後も精神的な危険が訪れる時期でもあります。

 

定年を迎える年代になると、「定年退職うつ病」とか「退行期うつ病」と
呼ばれる症状が見られることがあります。

 

こうしたうつ病になってしまう原因はいくつかあります。

 

一番大きな原因としては、
もはや会社に通勤しなくてもいいという自由を手にした為に
逆に不安になってしまうことが挙げられます。

 

つらい会社勤めから解放されたのはいいが、
毎日の自由な生活の中で、本人は特にやることがないので、
次第に暇を持て余すようになってきます。

 

サラリーマン時代は、平日は会社勤め、休日は家の中でゴロゴロ、
特に趣味を持つこともなく、好むと好まざるとに関わらず仕事一筋の生活だった人は、
休みの日に何をして良いのか分からない傾向にあります。

 

そうなってくると、本人も考えなくてもいい事まで考えるようになってしまいます。

 

しかも、高齢になりつつあり、既に体力や気力も衰えてしまっていると、
今さら何もできないという余計な思いが、気持ちを更に落ち込ませます。

 

趣味を持たず、仕事しかしてこなかった人は、
こうした「定年退職うつ病」、「退行期うつ病」にかかりやすいと言えます。