風邪を引いて熱が出たとか、鼻水やくしゃみが出るといったように、
体にはっきりとした症状が現われるのなら、
自分が病気にかかっている事を意識する事が出来ます。

 

しかし、心の病気はそう簡単に意識する事は出来ません。

 

心の病気は、通常は肉体的な苦痛を伴わない場合が多いために、
はっきりと病気である事を認識できず、
また、自分の元から持っている性格との区別もつきにくいため、
見過ごされやすいです。

 

また、心身症にみられるように、ストレスなどの心因が引き金になって
体に不調が現れることも多いですが、
この場合も、体の不調のほうばかりに気をとられて、
それが心的な原因からきていることまで、
考えが及ばないことも少なくないです。

 

本当は、心の病気が真の原因であるにも関わらず、
自分では、体の病気しか認識できていないので、
本人でさえも、心の病気であることを見過ごしてしまいます。

 

もちろん、全ての心身の不調の原因を、
心の病気だけに押し付けることはできませんが、
見過ごしてしまうと、症状の更なる悪化を招く事も多いです。

 

うつ病というのは、心の病気の中では比較的軽い症状であり、
治療、克服しやすいといわれていますが、手遅れになってしまうと、
完治するまでにかなりの時間がかかってしまう病気でもあります。