人間の体は正常な状態ならば、交感神経と副交感神経が
お互いに連携をとりながらバランスを保ち、
意識しなくても、体の機能を調節してくれます。

 

しかし、過度なストレスなど何らかの事情で
このバランスに乱れが生じてくると、心身に変調をきたす事になります。

 

この症状が、自律神経失調症と呼ばれているものです。

 

例えば、ショックな出来事や恐怖体験など、不快な刺激を受けると
交感神経が興奮して動悸や発汗などが起こります。

 

しかし、そうした刺激が一時的なものであれば、
通常はすぐに自動的に副交感神経が作用して、
そうした症状を和らげる方向へ動き、次第に収まっていきます。

 

しかし、不快な刺激が頻繁に起こったり、
「また、同じような場面にあってしまったらどうしよう」
というような心理的な不安が続いてしまうと、
交感神経が興奮したままの状態が続き、
副交感神経がうまく作用しなくなってしまいます。

 

その結果、外からの刺激、または体の中からの刺激に対して、
自律神経が適切な反応をできない状態となるために、
体の調節機能が狂ってしまいます。

 

こうした体の機能の乱れは、体だけにとどまらず、
精神的にも不安やうつ状態といった心の症状の原因にもなっていきます。