セロトニン神経の役割というと、
「うつに効く物質」とばかり考えてしまうかもしれませんが、
決してそれだけではありません。

 

ここでは、セロトニン神経の働きを幾つか紹介しておきます。

 

まず、大脳皮質の活動を適度に抑えながら、
その働きを高いレベルで維持する、という
人間の脳にとって理想的な覚醒状態をもたらす役目を持っています。

 

この働きは、脳内のセロトニン濃度が一定のレベル以上に
保たれる事によってもたらされます。

 

また、セロトニン神経には、ノルアドレナリン神経と、ドーパミン神経という
ときには暴走してしまう2つの神経に働きかけ、
暴走を抑え、適度な興奮状態にとどめる役割を持っています。

 

その為、セロトニン神経が正常に働いていれば、
精神的なストレスのコントロールがしやすくなり、
多少のストレスがあっても、それに負けてイライラしたり、
キレやすくなったりする事もなければ、
逆に嬉しい事があっても、はしゃぎ過ぎたり舞い上がったりすることもなくなります。

 

もちろん、つらいことはつらいですし、嬉しい事は嬉しいと感じているわけですが、
そうした自分を冷静にコントロールする状態に保つ事ができます

 

こうした平常心というものは、適度な緊張をもって、
その人の能力を最も発揮できる心の状態とも言っていいでしょう。