うつの状態になった人は、
「何をやっていても憂うつだ」
「なんとなく心さびしい、つまらない」
などと言ったりします。

 

ですが、このようなことを言っているうちは、
まだ、軽症の段階です。

 

もっと症状が進んでしまうと、
その人自身の活動力というか、生命エネルギーそのものが低下して、
感情の起伏が乏しくなって、何に対しても積極的な関心がなくなってきます。

 

「憂うつだ」とさえ言わなくなってしまいます。

 

外出するのが面倒くさくなり、部屋に引きこもり、人に会いたがりません。
無理やり出勤しても、活動性が低下しているので、
仕事の能率がひどく落ちています。

 

仕事が手につかなくなったり、注意力が散漫になっているので、
単純なミスを連発してしまいます。

 

現代社会では、うつ病という病気がだいぶ認知されてきているので、
「うつの人に対して、頑張れと言ってはいけない」
という事もかなり知られるようになってきましたが、
問題なのは、「軽症うつ病」が非常に増えてきているということです。

 

軽症うつ病とは、ちょっと見た感じには、うつだとは気がつきにくいです。
ですので、仕事場で同僚などが、元気がないと、
つい、「頑張れよ」と声をかけてしまいます。

 

上司の立場だとしたら、部下が無気力にしているように見え、
つい、注意をしたり、一喝したくなります。

 

こうした何気ない一言も、うつの人にとっては、
自分を責める言葉と受け止めてしまいます。

 

周囲の通常の対応が、
うつの人を精神的に更に追い込む事になってしまいます。