普通の神経は、1つの情報に対して1つの信号を発し、
次の情報が来るまでは、自分からは何もしません。

 

しかし、セロトニン神経というのは、他の神経から刺激がなくても
規則的にインパルスを出す、という通常の神経にはない性質をもっています。

 

そのインパルスは、自立的に一定のリズムで発し続け、
他の神経からの刺激や情報とは関係がありません。

 

そんな他の神経の影響を受けないセロトニン神経の活動に
規則性を与えているのが、睡眠と覚醒のサイクル、と言われています。

 

セロトニン神経がインパルスを出し続けるリズムは、
1秒間に2~3回の間隔で、これは起きている間、つまり脳が覚醒している間は
常に出し続けています。

 

しかし、眠ってしまうと、この間隔が次第にまばらになり、回数も少なくなります。
さらに、レム睡眠という深い眠りに入ると、インパルスは全く出なくなります。

 

そして、朝になって目覚めると、再びもとの1秒間に2~3回の間隔という
規則的なペースのインパルスに戻ります。

 

セロトニン神経は、脳幹の縫線核という部分から脳全体に軸索を張り巡らせています。
軸索というのは、情報の出力口でしたね。

 

そして、目覚めている間は、ずっと一定の間隔で、軸索から一定量のセロトニンが
放出され続け、脳内のセロトニン濃度が一定に保たれた状態になっています。

 

つまり、セロトニンが一定量放出され続けている間は、
脳は覚醒状態になっていて、
眠った状態になると、インパルスの頻度がまばらになり、
それに伴って脳内のセロトニン量も減って、
覚醒状態も失われるという事なんです。